日時:令和7年11月21日㈮ 19時30分~21時00分
場所:大宮歯科医師会館1階大ホール
今回は訪問歯科診療における医療保険と介護保険の算定の仕方という演題で、大宮歯科医師会成田沙織先生により講演が行われました。
まず初めに朝霧志保先生司会のもと、門脇寿也副会長より開会挨拶があり、その後講演が行われました。
訪問診療とは身体的または精神的な理由で歯科医院に通院できない患者に対して、歯科医師や歯科衛生士が自宅や介護施設にほうもんし、必要な治療や口腔ケアを行うサービスのことを言います。このため、カルテの摘要欄には通院困難な理由(訪問理由)の記載が必要となります。
訪問歯科医療は、医療保険と介護保険で報酬を請求することができます。歯科診療所(病院を含まない)が歯科訪問診療料を算定する為には、前月までに下記の届出が必要になります。
・特掲診療料の施設基準に係る届出書
・歯科訪問診療の注15に規定する基準の施設基準に係る届出書添付書類
訪問歯科診療料の算定について、令和6年度(2024年)歯科診療報酬改定において、歯科訪問診療料1の20分ルールが廃止されており、このため、以前は20分以上滞在しないと70/100算定になっていましたが、時間の縛りがなくなりました。歯科訪問診療料は同1日に同一建物(施設など)で何人患者の診療を行ったかで1~5に分かれております。歯科訪問診療には、初診及び再診ではなく、歯科訪問診療料を算定します。保険で訪問歯科診療を行える範囲は保険医療機関から半径16km以内の在宅などに限られます。また、どこに訪問するかで、使用できる保険が分かれます。
・在宅:患者さんの自宅、マンション、居宅系施設(サービス付高齢者向け住宅、グループホーム、介護付き有料老人ホーム)
→算定は医療保険と介護保険(介護保険をお持ちの方は、医療保険よりも介護保険算定が優先される)
・施設:特別養護老人ホーム(特養)、介護保険老人施設(老健)、病院
→算定は医療保険のみ
介護保険について、歯科訪問診療における介護保険算定、介護保険で算定するサービス名を居宅療養管理指導といいます。居宅療養管理指導とは、歯科医師が行うものと歯科衛生士が行うものの2つあり、単一建物居住者(同一月において、同じ建物内での患者数)で算定します。提供開始にあたり、利用者やその家族にサービス内容や権利義務を明確に伝えるための書類として、重要事項説明書を作成する必要があります。算定後、月に1度、担当ケアマネージャーへ情報提供します。2025.10/27に彩歯ナビでも重要事項説明書について掲載されましたので、参考にしてください。
介護保険のレセプトの書き方を実際の例をあげ説明。特に注意すべき点は、介護給付費明細欄の記載、歯科医師居宅療養管理指導Ⅰは312111、歯科衛生士居宅療養Ⅰは311241であるため、分からないということがないように注意が必要です。
その後、実際に訪問診療行うにあたり、算定時の注意点、算定できる診療料、項目の確認、カルテ記載、入力時の注意点を説明。訪問診療にかかわるよくある質問についての説明を行い、講演終了となりました。
講演後に質疑応答が行われ、伊藤将広医療保険部長による閉会の辞、直近までの歯科用金属材料の価格推移について、12月1日より保険適応となる3Dプリントデンチャーについて説明があり、終了となりました。
今回の講演では昨今需要が増している訪問診療について学ぶことができ、自分を含む現在訪問診療を行っていない先生方にも、とても分かりやすい内容で、複雑と思われる訪問診療料の算定について簡潔にまとまっており、より多くの訪問診療を行っていない先生方に聞いていただきたいと思える内容でした。大宮歯科医師会医療保険部では今後とも保険診療を正しく理解する勉強会を定期的に開催させて頂きたいと考えており、より多くの先生方に参加して共に学んでいけたらと考えております。
加藤光一 記